
ドイツ〜音楽留学生の冬part1(上)
東京は、穏やかに1日の終わりを照らしてくれていた日差しも姿を消して、暗闇に冷気がひんやりと漂います。今頃ドイツも、本格的な寒さを迎えているのでしょう。
ドイツ留学中、長く厳しい冬は、なかなかタフな季節でした。寒さや、雪が多い事は、まだ良い方で、何よりも参ったのは、ほとんど太陽の光を見る事ができなくなる事でした。一日のうちで日がさすのは日中の数時間、それも昼間なのに、もう夕方?と思ってしまうぐらい、斜めからの暗い明るさに、さらにゆううつな気分になったものです。
なんだか、重い石が頭からのしかかっているかのような感覚の日々が続きます。歴史を感じさせる石畳や石造りの建物も、威圧感が増して感じられ、ネオンがなつかしく思えるほど暗い街並みはよそよそしく冷たい気がしたものです。どんなに夢や希望を抱いていても、日々孤独感は募り、精神的にも肉体的にもかなり参ってしまいます。
そんなときには、ピアノに向かって練習に励んでいました。新しい難曲等に挑戦し、集中して取り組んでいると、何もかにも忘れることができました。また、練習の合間には、コンサートやオペラにも出かけました。もちろん、音楽を学ぶ者として、勉強するという意味合いが強かったのですが、そうやって、様々な物を見聞きする中から、楽しみ方や学ぶ事のおもしろさ等も実感することができたと感じています。
ヨーロッパの長く厳しい冬を知り尽くしているヨーロッパの人々は、冬には、室内で楽しむイベントをたくさん開催する知恵をもっています。クラシック音楽も、長い間、サロンなどで、人のこころを明るく、いやしてきたのだろうと思います。

